2012年5月2日水曜日

グッときた本(ノンフィクション)は?

グッときた本(ノンフィクション)は?

あなたが、グッときた(感動した、衝撃を受けた・・・)本(ジャンルはノンフィクション)は何ですか?



ちなみに私は、

『愛犬家連続殺人』

『消された一家』

『ドナウよ、静かに流れよ』

です。







ノンフィクションは得意ジャンルですので、とめどなく挙げてしまいますが、よろしくおつきあいのほどを。(2/3に「スローカーブを、もう一球」を追記、分類しました)

デイビッド・ハルバースタムを2冊だけ挙げていますが、この人の本は基本的にハズレはありません。原著は良くても編集者・訳者がハズレだったケースはありますが・・・。



■舶来ルポルタージュ

・デイビッド・ハルバースタム「覇者の驕り―自動車・男たちの産業史」

「覇者の驕り」は私が最初に読んだノンフィクションです。分厚い本なのですが、フォード一族、アイアコッカなど自動車産業に関わる人々の記述が生き生きとしていて、読み出すとぐいぐい引き込まれました。

・ニール・シーハン「輝ける嘘」

ベトナム戦争について知るなら、上記のハルバースタムの「ベスト&ブライテスト」(こちらもかなりの名著ですが)よりもこちらだと思います。

・トマス・パワーズ「なぜナチスは原爆製造に失敗したか―連合国が最も恐れた男・天才ハイゼンベルクの闘い」

第二次世界大戦中の原爆を巡る奇々怪々が描かれています。個人的には同じ物理学者でもアインシュタインよりハイゼンベルクのような人の方が好みなのもあって印象深かったです。



■スポーツ・芸能

・デイビッド・ハルバースタム「男たちの大リーグ」

「男たちの大リーグ」に書かれているのは60年ほど前の大リーグ、ボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースのペナントレースというとんでもなく古い話ですが、ドラマティックなペナントレースと、テッド・ウィリアムスを初めとする多くの人々のドラマに夢中になりました。余りに面白かったので、初めて英語の本を原文で通して読んだほどです。

・大崎善生「聖の青春」

質問者さんの本に「ドナウよ、静かに流れよ」があったので挙げてみました。夭折した棋士、村山聖の将棋に対する思いなど、生き方にとても心が打たれます。昔将棋部にいたので、人ごとだと思えなかった部分もありました。

・山際淳司「スローカーブを、もう一球」

短編集です。クールだけど、どこか優しさを感じる筆致がこの人のいいところ。表題作もいいですが、幻のモスクワ五輪ボート代表を描いた「ひとりぼっちのオリンピック」が私としては一押しです。

・沢木耕太郎「馬車は走る」

短編集です。囲碁棋士・趙治勳を描いた「帰郷」はちょっと切ない。



■ビジネス

・トーマス・J・ワトソン・ジュニア「IBMの息子」

IBMを発展させた2代目の自伝です。経営書でもありますが、偉大なる父を持つ息子がどのように成長し、葛藤に対処したかという点で、意外にも非常に人間的な本でした。

・佐野眞一「巨怪伝」

稀代のワルかもしれない正力松太郎の伝記です。あとこの人の作品では、ダイエー創業者・中内氏を描いた「カリスマ」も名作と言っていいと思います。



■工学

・柳田邦男「マッハの恐怖」

昭和41年の航空機事故に関する本です。飛行機を飛ばすことの大変さ、そして政治的な雑音に惑わされず原因を究明することの難しさがよーく分かります。

・中山雅洋「北欧空戦史」

第二次世界大戦における北欧の空軍を描きます。フィンランドの戦闘機部隊の強さと言ったら文字通り一騎当千。ソ連機をやっつける描写を見るととても痛快です。








「ビアフラ物語」

~フレデリック・フォーサイス(著) のちに「ジャッカルの日」などベストセラー作家になるフォーサイスがジャーナリスト時代に書いたノンフィクションです。アフリカでの内戦を取材した内容で、その迫真性はその後の小説のどれよりも面白い(「ジャッカルの日」は除く)と思えます。ただし、現在は入手困難です。



「関東大震災」

~吉村 昭(著) ノンフィクションの名著が多い著者ですが、最初の頃に読んで印象が深い作品です。ページ数もコンパクトですが、当時の状況を非常に見事に捉えていました。



「マッハの恐怖」

~柳田邦夫(著) 航空事故を扱ったノンフィクションでは、古い作品ですが一番、緻密で迫力を感じさせます。これに始まって「続・マッハの恐怖」や「撃墜」なども迫力があります。



「神戸新聞の100日」

~神戸新聞社(著) 先日ドラマにもなったようですが、阪神大震災の時に地元新聞社である神戸新聞が、当日から新聞を発行した経緯、その後の復興の状況など、地元のジャーナリストだからこそ書ける迫真の内容だと思います。



「墜落の夏」

~吉岡忍(著) 日航機墜落事故を多くの側面からじっくりと捉えた作品。内容が濃いにも関わらず、ページ数はコンパクトにまとまっているので読みやすい。



「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」

~NHK 「東海村臨界事故」取材班 (編集) 東海村で起こった臨界事故により、大量の放射能を浴びた患者を治療するノンフィクション。非常に重苦しく辛いが、それだけに印象に残るノンフィクション作でした。

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