2012年5月8日火曜日

日中映画?

日中映画?

李香蘭をみました。

あの映画のように中国と日本とのあの時代を描いた映画は他に無いのでしょうか?

第一次世界大戦から第二次にかけたものを探しています。

李香蘭のように中国語も入り混じったようなのがあればもっといいのですが。。







どうしても満州事変、日中戦争がらみの作品が多くなりますが、いくつか思い出せるものを挙げてみます。

 ベルナルド・ベトルッチ監督の「ラスト・エンペラー」(87)は、清朝最後の皇帝溥儀が満州侵略を企てる関東軍に利用されていく後半に、大勢の日本軍人が登場してきます。

 ティン・インナン監督の「孫文」(84)は、「ラスト・エンペラーにとどめをさした男」という宣伝文句で、89年になって慌てて公開されました。孫文は日本に亡命していますから、彼の革命闘争を支援した日本人が結構登場して、日本ロケもされています。私は結構勉強になりました。

 孫文の妻と、後継者の蒋介石の妻は同じ宋家の姉妹でした。財閥に嫁いだもうひとりを含めて「宋家の三姉妹」として中国史上有名です。メイベル・チャン監督の同名の作品(97)は、辛亥革命から日中戦争にいたる時期の、三人姉妹の愛憎を描いて、公開当時、なぜか映画館は年配の方たちで一杯で結構ヒットしました。ただ、日本がらみの部分は少ないです。

 日本側から見たものでは、山本薩夫監督の「戦争と人間 第1部~第3部」(70~73)です。新天地満州に野心を抱く新興財閥伍代家の人物群像を描きます。第1部では、満州事変・上海事変まで、第2部で盧溝橋事件までを描いています。ただ、逆に中国人の描写は少ないです。

 満鉄がらみで、鉱山で酷使する中国人捕虜の問題を扱ったのが、同じ山本薩夫監督の「人間の条件 第1・2部」(59)です。

 佐藤純弥監督の「未完の対局」(82)は、日中の囲碁の名人同士とその子どもたちの悲劇的な運命の物語です。確か、日中国交正常化10周年を記念して最初につくられた日中合作映画だったと思います。

 徳江長政監督の「ひいろ」(06)は、第二次大戦末期の混乱の中で、中国人夫婦に預けられた子どもが陶芸家となり、それを知った娘が日本にやって来て本当の家族を探す物語です。中国残留孤児を扱った作品で、評判にはなりませんでしたが、じんわりとくる良い仕上がりでした。現代が舞台ですが、過去のいきさつが絡んでくるので挙げてみました。

 いろいろ議論かまびすしい南京事件については、ウー・ツウ・ニュウ監督の「南京1937」(95)が中国の立場から描いています。反日映画などではなく、中国人男性と結婚した日本人女性を設定し、彼女の目から事件を描いていきます。(南京事件を描けば、観もせずに反日だと騒ぎ立てる人も多いですが…)。

 日中戦争についてはたくさんありますが、質問者さんの趣旨とは異なりそうなので割愛します。

 

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